外壁塗装には様々な種類の塗料が使われていますが、「シリコン塗料」という名称を耳にしたことはありませんか。
シリコン塗料は外壁塗料で圧倒的なシェアを誇る塗料です。
では、シリコン塗料にはどんな特徴や種類があるのでしょうか。
詳しく解説します。
シリコン塗料とはどんな塗料なの?
住宅用の塗料には、アクリル塗料やフッ素塗料などの種類がありますが、
費用のお手頃さや耐用年数の高さから、シリコン塗料が良く使われています。
そもそも塗料は顔料・樹脂・添加剤・溶剤等を組み合わせて作られていますが、
シリコン塗料とはこの樹脂部分がシリコン材で作られている塗料を言います。
樹脂部分がアクリルだとアクリル塗料になるので、塗料の種類の決め手は樹脂部分です。
それまで頻繁に使用されていたアクリル塗料などと比べると、
耐用年数が高いため屋根などの外壁塗装にも頻繁に使用されています。
シリコン塗料のメリット
広く使われているシリコン塗料にはメリットが5つありますので個別にご紹介します。
①耐用年数が高い
シリコン塗料の最大の魅力はやはり耐用年数の高さです。
アクリル塗料が約3年程度~約5年程度、ウレタン塗料が約5年程度~約7年程度の耐用年数と比べると、
シリコン塗料は約7年程度~約10年程度の耐用年数です。
無機塗料などと比べると耐用年数は劣るのですが、
紫外線にも強く対候性に優れているので屋根の塗装にも向いているという特徴があります。
②高耐熱性・防カビ性
外壁塗装にシリコン塗料が適している理由はまだまだあります。
それは、高耐熱性です。
シリコン樹脂は熱にも強いので、屋根やベランダといった高温になりやすい場所にも耐えることが出来る塗料です。
気温に左右されにくい耐性を誇るため、長く愛用しやすい塗料です。
また、防カビ性にも優れているので、カビや藻なども発生しにくい塗料です。
③コストパフォーマンスに優れている
シリコン塗料よりも耐用年数が高い無機塗料の方が良いのでは、という意見もありますが、
シリコン塗料は価格と耐用年数のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れているのです。
塗料の中でも安価な価格帯に位置しているので、広い部分にもふんだんに塗料を使用できるというメリットがあります。
④色の種類も豊富
多くのメーカーが人気のシリコン塗料を販売しているので、大変豊富なカラーが登場しています。
鮮やかな発色の塗料も多いので、個性的なカラーを外壁塗装に活用することが出来ます。
同じカラーでもシリコン塗料のメーカーや配合されている樹脂のバランスなどで発色もかなり変わります。
特に明るいカラーは差が大きいので、発色を確認してから使用するようにしましょう。
⑤ツヤがある
シリコン塗料の特徴として、ツヤ感があります。
外壁塗装にも多く使われている水性シリコン塗料はツヤがあり美しい見栄えを楽しめます。
水性のシリコン塗料は臭いも少ないので、リフォーム時にも愛用されている塗料です。
シリコン塗料の種類
シリコン塗料のメリットの中で「水性」の塗料について触れましたが、
シリコン塗料は「水性」と「油性」に分けることが出来ます。
同じシリコン塗料とはいえ水性と油性では個性が異なります。
それぞれにメリット・デメリットがあるので塗る場所や予算、特徴に合わせた活かし方が大切です。
シリコン塗料の2つの分け方
①水性のシリコン塗料の特徴
水性塗料の特徴は臭いが弱いことが特徴です。
臭気が少ないので外壁塗装の際に周囲に迷惑をかけてしまうことが少なく、
人体への影響も少ない塗料のため、多くのプロが愛用しています。
一方で水性のため油性よりも乾燥する時間がかかるというデメリットがあります。
その間天候に左右されやすく、塗装の際には乾燥時間を考慮して取りかかる必要があります。
②油性のシリコン塗料の特徴
水性の塗料と比べると、油性のシリコン塗料は臭いが気になるのはデメリットでしょう。
また、油性の塗料は引火しやすいので、管理をしっかりと行う必要があります。
しかし、水性よりも乾きやすく短期型での塗装に向いているという特徴があります。
水性よりも耐久性が高いので、同じシリコン塗料の中にも耐久に差があることも考慮する必要があります。
シリコン塗料はどう選ぶべき?
シリコン塗料には水性・油性はもちろんのこと、豊富なカラーバリエーションもあり、
どの塗料が優れているのかご自身で選ぶのは大変でしょう。
そのため、次のポイントを押さえてシリコン塗料を選ぶことがおすすめです。
シリコン塗料選びはこのポイントを押さえよう
①どの性能を優先するか
シリコン塗料に限らず、外壁塗装を行う際には予算を決めることになります。
どうしても割安で抑えたい、あるいは高くても一番耐用年数が高い塗料にしたい、など要望があるでしょう。
コストパフォーマンスに優れたシリコン塗料を選ぶ場合には、
耐久性・カラー・臭いなど配慮したいところをあらかじめ決めておくと、塗料選びがスムーズです。
この点はプロでないとわからないことが多いので、塗装前に細かく打ち合わせをするようにしましょう。
②価格
シリコン塗料には幅広い種類があるので、フッ素や無機塗料に等しい価格帯のものも登場しています。
塗料製品を選ぶ際に価格についても十分に考慮しましょう。
外壁塗装にはやはり耐用年数が高いものがおすすめですが、予算の希望をはっきりと決めておくことも大切です。
価格を重視するとウレタン塗料も視野に入るかもしれませんが、
長期的な視点で見るとコストパフォーマンスに優れているのはシリコン塗料と言えます。
耐用年数なども踏まえて価格を考え、塗料選びをすることも大切です。
③近隣への配慮
家と家の境界が狭い場合には、臭いの問題なども事前に検討しておくべきでしょう。
特に近隣トラブルを防ぎたい場合には、臭いについても視点を持って塗料選びをすることが大切です。
水性・油性の知識を生かして、近隣住民の特性なども踏まえながらシリコン塗料を選ぶようにしましょう。
まとめ
外壁塗装で大活躍をしているシリコン塗料について様々な視点からご紹介しました。
シリコン塗料には多数のメーカーが参入しており、あなた好みの塗料がきっと見つかるはずです。
外壁塗装は家を守る大切な工程ですから、塗料選びには価格や耐用年数のバランスなどを踏まえて、
塗装業者と細かく打ち合わせをしながら決めましょう。