高圧洗浄とは外壁や屋根などを強力な水圧を利用し、埃などの汚れを洗い落とすことです。
個人でもベランダの洗浄や玄関のタイルなどに高圧洗浄機を利用される方がいらっしゃるため
高圧洗浄という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
また、高圧洗浄機には家庭用のものと業務用のものがあります。業務用のものは家庭用と比較すると高価ですが、
水圧が強いことから、洗浄力が強いこと、耐久性が高いという違いがあります。
建物の外壁塗装を行う前に、外壁を高圧洗浄します。
外壁の高圧洗浄作業時には業務用の高圧洗浄機を使用し行います。
外壁塗装前に必要な高圧洗浄は、外壁塗装の仕上がりや、
塗料の耐久年数を維持することにつながるため、とても大切な作業です。
外壁や屋根は、毎日強い紫外線や雨風、排気ガスなどに接しているため、
長い時間が過ぎていくと塗料などの耐久性は劣化していきます。
外壁や屋根の塗装が劣化してしまうと部分的に外壁が剥がれて落ちてしまったりします。
塗装が粉化してしまうことで、外壁を触ると塗装と同じ色の粉が手についてしまいます。
このような現象は、チョーキング現象と呼ばれ、
自分で外壁を触るだけで外壁の劣化を知ることができるものとされています。
外壁塗装をする時、チョーキング現象が起きてしまった外壁に塗装しても、
新しく塗った塗料が塗装後、耐用年数を経過することなく剥がれてしまいます。
このような状態になってしまったら、外壁塗装の耐用年数を迎える前に修復工事が必要となります。
外壁の洗浄作業では、外壁に残っている古い塗膜を取り除き新しく塗る塗装を外壁にしっかり密着させるために行います。
古くなった塗膜を落とすこと以外では、外壁に付着しているカビやコケ、汚れ、
チョーキングの粉など多種多様な汚れをすべて落としていきます。
高圧洗浄作業の作業費用は家の大きさによっても違ってきますが、数万円くらいが多いようです。
高圧洗浄の作業時間は家の大きさ、形状、汚れの程度、屋根と外壁両方か外壁だけなのかなど
洗浄作業が必要な範囲によって違います。作業日数は、おおよそ1日程度です。
外壁の汚れは、数年から場合によっては10年以上の長い期間、蓄積されたもので作業時間も必要です。
外壁の高圧洗浄には1日必要とされていますが、汚れがひどい場合は2日間必要になることもあるため、
現場確認の際に具体的な作業時間を確認しましょう。外壁洗浄後には乾燥時間も必要となります。
乾燥時間は、最低1日、理想は2日間となります。
特に、冬場や高圧洗浄作業が夕方に終わった時は、乾燥時間をしっかり確保しましょう。
長期間にわたる外壁の汚れは、頑固で高圧洗浄だけでは落ちないものもあります。
この場合は、手でひとつひとつ汚れを落とす作業をします。
外壁の汚れがひどい場合はバイオ洗浄という洗浄方法を実施することがあります。
バイオ洗浄は、バイオ洗剤を利用し、外壁に付着している細菌、汚れをバイオの力で分解していきます。
コケやカビなどは目で見て確認することができます。しかし、外壁にはこれ以外に目に見えない細菌、
汚れが残っていることもあります。バイオ洗浄を利用することで、目に見えない細菌なども除去できます。
バイオ洗浄は人にとって無害ですので安心して利用することができます。
このように、魅力的に感じるバイオ洗浄ですが、バイオ洗剤は、ローラーやスポンジで外壁に塗布するなど
メーカーが指示していることがあり、業者は薬剤の使用方法に従い作業を進めます。
このような作業は、時間や行程が増えることから外壁塗装前の高圧洗浄に必要な費用の増加につながります。
このようなことから、バイオ洗浄が必要な場合は作業の手間など負担が増えない方法でできるものを利用しましょう。
バイオ洗浄はとても効果がありそうですが、必要な作業時間と手間が高圧洗浄以上に必要となるのも事実です。
また、業者によってはバイオ洗浄に対してよい考えばかりではありません。そのため、バイオ洗浄の必要可否については、
建物の立地条件や築年数、外壁の汚れ具合など総合的に判断する必要があります。
バイオ洗浄ばかりにこだわって業者を選定するのではなく、総合的に検討し必要かどうかを選んでいきましょう。
外壁の高圧洗浄作業にはとても多くの水を使います。
また、高圧洗浄作業は1日かけて作業されるため水道代も気になるのではないでしょうか。
外壁の洗浄作業に使われる水道代は自己負担となりますが、日本は水が安いので、それほど高額な代金にはなりません。
高圧洗浄機の水の使用量を単純に計算する時、仮に1日続けて10時間高圧洗浄を続けたとした場合でも
水道料金はだいたい1,300円程度。水道料金には地域差があるため、
おおよそでこの程度の水道代となると参考程度に覚えておいてください。
また、外壁の高圧洗浄作業は外壁塗装をするタイミングでの作業頻度です。
このことからも、それほど頻繁に行われない作業なので問題ない金額ではないでしょうか。
外壁の高圧洗浄作業を進めていく際、いくつか注意することがあります。まず、雨漏りしていないか。
万が一、現地調査の時に雨漏りが見つかったら洗浄作業前に補修工事をしてください。
外壁の汚れがひどくカビやコケが多く生えている場合は、バイオ洗浄が必要かどうか検討していく必要もあります。
外壁の素材、劣化状態、塗装業者のバイオ洗浄に対する考えによって大きく左右されます。
バイオ洗浄を実際にするかどうかは、業者としっかり確認し、話し合うことが大切です。
高圧洗浄機を使って外壁の洗浄作業をする時、洗濯物などはしまいましょう。
外壁を高圧洗浄する時の、水しぶきには外壁についていた汚れが一緒に周りに飛び散ります。
建物の周りは、足場や保護シートでカバーされますが、すべて保護することは難しいことです。
そのため、ご近所にも作業日程などを事前にお知らせしましょう。
高圧洗浄機で外壁を洗浄することは、外壁塗装をしていく上で、とても重要な作業のひとつです。
外壁塗装前の洗浄作業では洗浄後の下地補修とともに外壁塗装作業の中では、地味で手間のかかる作業です。
しかし、外壁を長持ちさせ、しっかり耐久年数を迎えるために大切な作業でもあります。
このような地味な作業を外壁塗装前に、しっかりしてもらうことが美しい外壁を長持ちさせることにつながっていくのです。