築年数の経過とともに外壁の塗装は劣化していきますが
外観を蘇らせる際には塗り替える以外に「張り替え」と呼ばれる施工方法もあります。

では、張り替えはどんな施工方法でしょうか。

この記事では外壁塗装の張り替えをについて詳しく解説します。
外壁塗装に悩んだ際のヒントにご活用ください。

外壁塗装の劣化が気になったら

外壁塗装は永久的なものではありません。

塗料を使って外壁をコーティングする役目を担っていますが
築年数の経過と共に徐々に劣化していきます。

例えば真っ白で美しかった外壁も、築年数も約10年を超えてくると
雨垂れが目立ったり、緑色の藻が目立つ場合もあります。

外壁塗装はおおよそ10年程度が劣化の境目となっており
ウレタンやアクリル系の塗料の場合には10年未満で劣化が進行することもあります。

色が剥げてきたり、チョーキングと呼ばれる剥がれの現象などが目立ち始めたら
早めに外壁塗装のリフォームを検討しましょう。

では、外壁塗装のリフォームにはどんな方法があるのでしょうか。

リフォーム方法は大きく2つに分けられます。1つは「塗り替え」
もう1つは「張り替え」です。では次にこの2つの違いについて説明します。

外壁塗装の塗り替えとはどんな施工？

外壁塗装における塗り替えとは
その作業名のとおり「塗装を塗り直す」作業を指します。

外壁塗装の劣化の範囲が小さかったり、新たに色や塗料を変更する場合には
塗り直しを行うことが一般的です。

塗料の選び方や施工範囲によっては価格を抑えることもできるため
外壁塗装のリフォームをご検討される場合には塗り替えを選択される方が多いでしょう。

塗り替えは冒頭にも触れたように築年数から約10年程度が目安となっており
外壁の汚れが高圧洗浄でも落ちなくなったり
剥がれなどの症状が進行している場合には早めに検討を行いましょう。

特に防水機能の役割も果たしている塗装が剥がれたままになっていると
塗装の下にある外壁材が傷んでしまう可能性が高くなります。

すると、建築材が水分を含んでしまい家全体の修繕リスクが高まってしまいます。
塗装の劣化は見過ごすのではなく、メンテナンスのつもりで対処をすることがおすすめです。

外壁塗装の張り替えとはどんな施工？

外壁塗装を塗り直すことが塗り替えなら
外壁塗装を張り替えるとはどのような施工なのでしょうか。

張り替え、とは2つの方法があります。

1つは従来の外壁の上から外壁材を貼り直す「カバー工法」
そしてもう1つは外壁材を解体し、1から構築しなおす「張り替え」です。

近年はカバー工法の普及もあり、カバー工法についても張り替えと呼ばれることがあります。

では、カバー工法と張り替えはそれぞれどんな施工方法なのでしょうか。

１．カバー工法とは
カバー工法とは重ね張り工法とも呼ばれており
古くなった外壁材の上から真新しい外壁材を張り付けていく工法です。

従来の建物にカバーをするように工事をすることからカバー工法と呼ばれています。

よくある施工例としては、古くなったモルタル系の建物に
強度もある金属サイディングの外壁材を張り直す作業が挙げられます。

塗り直すよりも大々的に雰囲気を変えることができるので
従来の外観からガラリと印象を変えたい方もカバー工法を選択されています。

また、古い建物には断熱材が施工していないことも多いですが
カバー工法で断熱材入りのサイディング材を貼り直すことで
快適な住まいへグレードアップをさせることも可能です。

従来の建物からカバーをするため足場が必要な施工ですが
防音効果も高まるため人気が上昇している外壁リフォームの方法です。

２．張り替えとは
外壁塗装の劣化が目立ち、外壁材にも痛みが進行している場合には
家全体を補強するためにも外壁の張り替えが行われることがあります。

張り替えの作業はカバー工法よりも大がかりになることが多く
外壁全体を作り直すため施工期間中は居住できないことが一般的です。

外観全体が劣化しているときに選ばれる工法の1つであり
費用は高額化しやすいですが真新しい外壁材へと生まれ変わるため築年数の向上にも役立ちます。

このように外壁の張り替えにも施工方法や費用が異なる2つの方法があるため
建物の状況や予算に合わせて方法を検討することが大切です。

カバー工法と張り替えのメリット・デメリットとは

外壁塗装の塗り直しではなく張り替えを検討する場合には
上記で解説したカバー工法と張り替えの2つの方法を比較して選ぶことになりますが
両者の工法にはどんなメリット・デメリットがあるでしょうか。

カバー工法のメリット・デメリット

カバー工法のメリットは従来の外壁材を解体する必要がないため、施工費用を抑えることができます。

また、張り替えていく作業は短期間で集中して行うことができるので
数日間内で終わることも一般的です。入居したまま工事が完了できます。

そのほか断熱効果・防音効果も魅力の１つです。

一方のデメリットは、外壁材と新しい外壁材の間に結露が生じやすく
下地となる従来の外壁材にダメージが広がることがあります。

また、外壁材の内側にまですでにダメージが進行している場合には
カバー工法は向いていないため、外壁材の張り替えしか選択できないこともあります。

外壁材を上乗せする形になるため素材は軽量の金属系などのサイディング材が基本です。
選択肢が少ないこともカバー工法のデメリットと言えるでしょう。

張り替えのメリット・デメリット

カバー工法と比べると張り替えのメリットは修繕がしっかりと行えることです。

外壁材をやり直すため、傷んでいるところを大幅にリフォームし、大規模な補修が実現します。
今後も長く住居予定の方向けの施工でしょう。

一方のデメリットは、外壁塗装の塗り替えやカバー工法と比べると
一番費用は高額であるという点です。

張り替えに関しては解体作業もあることから時間を要することもあり
張り替え中は仮住まいを求められることもあります。

費用だけではない外壁塗装の選択を

外壁塗装は冒頭にも述べたように永久的ではないため
まずは新築の段階で塗料をしっかりと選んでおくことも大切です。

また、塗装の塗り直し・カバー工法・張り替えでは費用も全く異なることや
施工方法も異なるので、現在のご自宅に合った選択をしましょう。

費用だけではなく、それぞれのメリット・デメリットも踏まえて
施工することでこれからの家の延命にもつながります。